ああそうなんだイタリア語6

ああそうなんだイタリア語6

  1. Connection コネクション

これは、イタリアに限らずどこの世界でも大事なものである。日本語では「コネ」と言って、これは恐らく英語から取ったものであろう。実はイタリア語のconnessioneにはそういう意味はない。イタリアでも「コネ」の意味で使う場合は、英語のconnectionを使う。では、イタリア語にはコネはないのか、そんなはずはない。イタリア語では、clientelismoという。直訳すれば、「顧客主義」だ。顧客主義は、日本では、お客様優先のビジネスのスタイルを指すものだが、イタリア語のclientelismoは、選挙の一票と引き換えに投票者に便宜を図ることを言う。従いコネというよりも、選挙違反に近い。一方親類や知りあいに就職等の便宜を図ることは、favoritismoと言う。favore(好意)が変化した言葉である。先生が特定の生徒を「えこひいき」することなどもこれだ。特に就職などで親類縁者を優遇する事は、nipotismoという。この言葉は、nipote(甥、姪、孫)から来ている。イタリアの南北問題は、北には仕事があり南には仕事がないことからの格差問題の事でもあるが、南の人は親類縁者が力を持った人でなければ仕事にありつくことが難しい。かといって北へ出稼ぎへ行っても、仕事はあっても出世はまず望めないというのが実情だ。ある南イタリア出身のイタリア人は北の企業で部長の職に就いていたが、自分の場合は特別でこんな幸運は滅多にないと言っていた。彼自身も上司に対しては、平身低頭で何でも“Si, signore!”と答えるサラリーマンだったが、その状況を傍から見ていると、南の人が北で職を得るのが大変な事が実感でわかったものだ。

connectionとconnessioneは意味が違うと書いたが、これと同じような例が他にもある。例えばtestimonialeは証人とか証言の意味だが、testimonialと最後のeを省くと、代弁者、スポークスマンの意味となる。イタリア語はcuoreをcuor(またはcore, cor)、venireをvenirと最後のeをつけてもつけなくても意味が変わらないものだけでなく、このように意味が変わるものもあるので注意。

 

nakahara