フランス語初心者 4

フランス語初心者 4

4.raison d’ être: さて、続いて「哲学的」な話を。レゾンデートル:これも良く使われます。レゾンドートルか、コーヒーショップ名のデジャヴから、レゾンドトールだったのか、レゾンドール(これは多分リオンドール(金獅子勲章)との混同)なのか、本来の意味が解らないと出鱈目ですが、raison d’ être と文字を見ると、少し解ります。イタリア語で「私は正しい」は、ho ragione.と言います。ragioneは道理、理由、理屈です。フランス語ではJ’ai raison.となり、このraisonは同じ意味です。従い、raison d’êtreは「存在の理由」です。または「生きがい」とも訳されるようです。先輩から「君のレゾンデートルは何かね?」なんて偉そうに聞かれたことはありませんか。あるボクサーが「君の座右の銘は?」と聞かれて、「右1.5、左1.5」と答えたという笑い話がありますが、こんなことにならないよう。尚être de raisonと反対に書くとこれは、「観念的存在」になります。益々解らなくなります。フランスはデカルトやパスカルなど、実存主義哲学の祖と言われる人が多い国ですから、議論好き、理屈っぽい、人の意見に賛成しない、などということで知られます。しかし、まあ何で日本人は哲学になるとフランス語なんでしょうかね。サルトルが唱えたアンガージュマンもengagementと書きます。英語も同じですから、こう書いてくれるとなんとか解りやすいのですが、どうも哲学用語はフランス語でないといけないようで。engagementは「知識人の社会参加」のことです。尚、ragione d’essereと言ってもイタリア人は何のことかさっぱりわからないそうですから、「存在の理由」は必ずフランス語で。

nakahara