ああそうなんだイタリア語 7

ああそうなんだイタリア語 7

7.goloso:ゴローゾ 時間の流れは、人それぞれです。昔中国に仕事で何度も行き来している頃、恐らく日本の30年前がこんなんだったんじゃないかという建物や人々の服装や生活を見て、時間はここでは悠久な気がしたものです。イタリアを最初に訪問したのは1971年でした。それから28年後に再訪ししばらく住むことになりました。そして28年前に流されていたテレビ番組がまだあり、当時有名だったタレントがまだ出演しているのを見て、ここでも時間がゆっくり流れているのを感じました。振り返ってみれば、それだけ日本が急いでいたのでしょう。町の風景が10年経てば様変わりするのが普通だと思っていたのが、中国でもイタリアでも風景はほとんど変わることはなかったのです。しかし、今中国は昔の面影を残さないほど急激に変化しています。逆に日本では、長寿番組は50年も続いているとか、なんだか日本での時間の流れがゆっくりになっているのではないかとも思えます。ゆっくりになっているというのは、世界レベルから見ると、時代に取り残されて行っているという事かも知れません。昨年久しぶりにイタリアを訪問して、目的はベネツィアマラソンへの参加だったのですが、一番思ったのが、こちらはキャッシュレス社会だという事です。到着した日が運悪く交通機関のストライキ。空港から市内へ入るのに、ごく一部の電車が動いているのですが、切符が自動販売機のみでこれがクレジットカード払いのみ。私はクレジットカードはもっているものの、これまでサインで済ませてきたので暗唱番号なるものを知らない。結局そこで切符を手に入れるのに四苦八苦してしまいました。帰りの飛行機でたまたま隣に座った日本人のビジネスマンと話をしたら、彼は北欧を回ってイタリアへ行って今から帰国するところだが、今回の旅行で一度も両替をしていないという。つまり現金を持っていないと。いやあ、驚きましたね。井の中の蛙とは俺のことを言うのか、と思いました。やはり日本にばかしいてはダメです。先日ソフトバンクの孫社長が言っていましたが、日本には彼の巨大ファンドが投資をする先がないと。AIのような先端技術にとても遅れていることを嘆いていました。いやあ、これは本当にひょっとしたら、日本は長期停滞に入っているのかも知れません。時間がゆっくり流れるのは良いのかどうか、まあ私は嫌いではありませんがね。スローはイタリアが得意です。町の中でイタリア人が走るのを見たことはありません。一度だけトリノで泥棒を追っかけているのを見ただけ。エスカレータを歩いて上るなど考えられません。少なくとも20年前まではそうでした。そういえばスローフードはイタリアで発祥しました。ファーストフードに対抗して、食事をゆっくり楽しむ生活を推奨したものでしょう。ARCI GOLA(アルチゴーラ)という美食の会から始まったものです。ARCIは最先端、究極のという意味でGOLAは「喉」のことです。最高の味を楽しむ、といった意味を込めているものと思われます。golosoという単語がありますが、これもgolaから派生したもので、健啖家つまりグルメの事です。

nakahara