ああそうなんだイタリア語 22. 本当の意味は??

ああそうなんだイタリア語 22. 本当の意味は??

誰とでも仲良くなれればこれに越したことはないですね。世の中には色々な人がいますから、自分がそう思っていてもそうならないことも多いんじゃないでしょうか。善意の言葉や行動を悪意に取られて、しょんぼりした経験は誰でもある事かも知れません。意外と単純な言葉だけで、そういう事も起こりえます。日本語でもそうですが、皮肉的な表現というのはありますね。「おめでたい人」(事実を知らないうぶな人)、「ごちそうさま」(楽しそうな話を聞かされたあと、皮肉的に)、「いい値段」(高い)、「お世話になっている」(厄介をかけていることを皮肉的に)、「かわいがる」(いじめる)など状況次第で意味が反対になることもありますね。

以前に、あるイギリスのご婦人と会う約束があったが、前日に電話がかかってきて、「Would you like to postpone the appointment?」と聞いてきた。「アポを延期したいですか?」という意味である。これは真意が分からないと、「いいえ、大丈夫ですよ」と答えたいところだが、これは「延期して欲しい」の意味だと気づいたのは、一旦「大丈夫」だと答えた後である。こういう表現が丁寧なのかどうか分からないし、イギリスではご婦人はあくまで相手(この場合紳士であるかどうかは別にして男性である)に責任を被せるような言い方をするのかも知れない。これが紳士の国の作法だとすると。

Thank you! とかGrazie! という言葉も、皮肉的に使う事が多い表現だ。「余計なお世話だ!」のような意味になるだろうか。belloなどは注意をせねばならない。Bella figura!は、「美しい容姿」などではない。「恥ずかしいことを!」Scemo!と同じような意味だ。また皮肉的に言う事も多いので、言葉は状況で判断することが重要になる。

もうひとつの間違いのもとは、発音に寄ることが多い。もう50年も前の話だが、Firenzeの郵便局で船便で荷物を送りたいという日本人女性について行ったことがある。郵便局で、Via mare (船便)でというところを、ただ、マーレ、マーレというものだから、係員がbene, bene(大丈夫)だと言っている。彼女の発音は、maleだったわけですね。これは説明不要。私自身の間違いも一つ上げると、Pisaの駅のinformazioniにて、斜塔はどこですか?と聞いた時の事。係員の答えは「駅を出てすぐ右だ」とのこと。わたしが、「歩いても行けますか?」と聞いたら、さすがにイタリア人ですね、「ご希望ならタクシーでもどうぞ?」と言う。私は、歩いても行けるんだなと思って、外へ出て、そこで気づいたわけですね。塔はtorreですが、私は巻き舌が出来ないので、toiletに聞こえていたという訳です。もう一度informazioniに戻って、事情を話して、大笑いになったことは言うまでもありません。

nakahara