ああそうなんだイタリア語 21 夜霧よ今夜も~~

ああそうなんだイタリア語 21 夜霧よ今夜も~~

霧はnebbiaという。これも「読んで楽しいイタリア語」に書いた話だが、霧の話はどうしてもまた書いておきたい。地球温暖化と共に、霧が出る回数もイタリアでは減ってきたのかも知れません。私がイタリアで経験した、1990年頃も段々暖かくなっていて、霧も少し減る傾向にありましたからね。ミラノの霧がどれくらい凄いかと言うと、はっきり言って、夜中に濃い霧が出たときは全く見えません。視界は、いいところ10mがギリギリだろうか。いや10mもないかも知れない。車なら、時速20㎞で1秒間に5.5m動くので、10mの視界だと障害物に気付いても殆どぶつかる。まあ、これほど視界が悪い時には運転しない方が良いが、通常視界が20mくらいあれば皆運転する。時速20㎞なら、この場合は多分止まれるだろうが、問題は高速道路である。

視界が20mで高速道路に出ると、車はビュンビュン飛ばしている。時速100㎞出すのだ。第一の問題は、高速の一般通行車線に入るとき、一気に80㎞くらいまではスピードを上げて、走行車線に入る。後ろから車が来ていたら、取り敢えず追い越させて、追い越された後は、この車のテールランプを見て後をつける。これが高速の運転方法です。テールランプは視界20mの2~3倍の距離からも微かには見える。だから、これの後をついていくのだ。ある時、前の車が意地悪をしたことがあった。後をつけて来られるのが嫌なんだろうか、テールランプを突然消した。全く見えなくなる。ここでスピートを落とすと、これが一番危ない。イタリアの高速道路は基本的に直線なので、とにかく真っすぐ時速100㎞で進むしかない。但し、tangenzialeと呼ぶ首都の周りの高速道路は、真っすぐではないが。いずれにせよ、東京の首都高ほど狭くかつ曲がってはいないので、その分は安全である。

高速を降りるときが次の問題である。看板が見えない。2車線の場合走行車線を走っていても、100㎞で走っていれば、看板が見えたときには通り越している。大方そろそろかなと予想をつけて、ちょっと前からスピードは少し落とす。7~80㎞くらいに。見えたら、すぐに降りる準備である。降りる寸前に看板や、出口が見えるはずなので、見えたらすぐにハンドルを切って降りることになる。

三番目の問題は、高速を出て一般道路に出るときである。視界が20mだと言っても、霧の濃さは風などによって変わる。5mほどの視界になることもあれば、40mくらいに広がっていることもある。安全なのは、視界が広がるのを待って、ある程度見えたときに渡るのが良いのだが、真夜中などでは、視界が全く変わらないこともある。5m~10mくらいしかない時もあるわけで、その時は夜中なので車も少ないだろうと見当をつけて、「えいやっと」渡るしかない。これは何度か経験したが、一瞬は命を懸ける感じだ。一般道路は、霧が濃い時はそんなにスピードは出さないで走るので、先導車がなくともまあ何とか運転は出来る。ただ道は真っすぐとは限らないので、かなり前のめりになってハンドルをしっかり握って良く周りを見ながら走る事にはなるが。

事故はどうかと言うと、当然起きる。ただ、小さな事故は報告されないのかどうかあまり知らないが、100台レベルの玉突き事故が高速ではタマに起きている。まあ、あのスピードで前の車が事故にあったら、後の車はどうしようもないだろうという予測はつきます。イタリアで霧が多いのは、ミラノートリノそしてミラノーベネチア間です。ボローニャより南は多分あまり発生しないと思います。従い、当然ミラノ空港はしばしば閉鎖されます。ただ、霧の中でも管制誘導により完成出来るシステムはあるそうですから、今は当時ほどは混乱が生じてないかも知れませんが。

日本ではミラノに比べれば霧が発生したところで大したことはないが、場所や時間によっては濃い霧に出会う事もあるでしょうね。自分は慣れていても他の人が慣れていない場所では、止まった方が賢明だと思います。霧ではないが、ある時ミラノで大雪が降りました。ミラノは結構寒いですがあまり雪は降らないので、チェーンをつけたりしない。それで、事故が多発したことがあります。慣れない状況に接したら、あまり無理をしない事ですね。ロンドンの霧やある説によれば、霧ではなくスモッグだそうですが、ミラノは確実に霧でした。クリスマスの頃の霧は、幻想的で霧の濃淡によって見えたり見えなかったりするのは、意外と面白かったものです。

もう大分昔の話になりましたが、ミラノに住んでいたことで懐かしい事の一つは、間違いなくこの「霧」ですね。ちなみに、英語ではfogと言いますが、イタリア語は全く違います。Foggiaというのは、町の名前です。英語とイタリア語は単語が70%共通だと言いますが、それは比較的難しい単語の事で、簡単な単語は全く違います。rain/pioggia, river/fiume, water/acqua, house/casa など共通ではありません。だから、イタリア人(やフランス人)は、30%の単語だけを勉強すればいいのですよ。

 

nakahara