トスカナ地方の発音の特徴に、Ca(Ka) Chi(Ki) Cu(Ku) Che(Ke) Co(Ko) つまり日本語読みではカキクケコがほとんどハヒフヘホになると言うのがある。厳密に言うと、ハヒフヘホと言うよりも、も少し喉の奥から発生するハーと言う音になるのだが。
昔若いころにフィレンツエへ行って、そこの若者たちと友達になる。私が日本人だと分かると、すぐにジャマー、ズズヒ、ハワザヒと言って近寄って来る。最初は何を言っているのか全く分からないのだが、オンダーが出て初めて、ああこれはHONDA(ホンダ)のことを言っていると分かる。Hは発音しないですからね。そうすると、ジャマーは、YAMAHA(ヤマハ)かなと。YAはジャと発音する人が多い。若者は、皆バイクレースに夢中だから、日本のバイクの名前を知っていて、それを言いながら近づいてくるわけです。そうするとズズヒはSUZUKI。最初のSは濁ることが多い。ハワザヒは大分原音とは遠くなるが、KAWASAKIとなる。KA=ハ、SA=ザ、KI=ヒである。
知り合いの貿易代理店の社長の娘が、Federica(フェデリーカ)と言ったが、これは勿論フェデリーハとなる。日本の女性の名前の最後の子はホとなる。クミコは「フミホ」、ヨウコは「ジョウホ」、イクコは「イフホ」である。コカ・コーラ(Coca Cola)は、ホハホーラとなる。嘘だと思ったら、フィレンツィエへ行って、ホハホーラと注文してみてください。間違いなくCoca Colaが出て来ますよ。
英語で「チ」はChi, 「チェ」はche だが、これはイタリア語ではそれぞれ「キ」、「ケ」と読む。Giは英語は「ギ」だが、イタリア語では「ジ」と読む。HITACHI(日立)はイタリアでは「イタキ」と読まれます。杉山さん(Sugiyama)は「スジヤマ」である。