Il Settimanale 226 (2020年7月16日発行)に、「2050年の世界」という英国エコノミスト誌が出した本についてのコメントを載せました。小さなコラムでは載せきれない部分があったので、ここに付け加えます。
このコラムでは、2050年には、日本の一人当たりGDPがアジアでは韓国に抜かれ、中国ともほぼ肩を並べるレベルまで下がるというデータをもとに、これから日本がどうすべきかという問題提起をしております。
ここでデータをもう一度振り返ると、この本は2012年に発刊されたものですので、データは古いですが未来を予測したものゆえ、もう一度このデータを振り返りたいと思います。数字は米国を100とした場合の割合です。
2010年の実態 | 2030年の予測 | 2050年の予測 | 2018年IMF統計 | |
韓国 | 63.1 | 87.8 | 105 | 53 |
米国 | 100 | 100 | 100 | 100 |
独 | 76.2 | 82.9 | 87.7 | 75.8 |
仏 | 72.1 | 70.1 | 75.2 | 68.3 |
露 | 33.5 | 50.4 | 71.9 | 18 |
英 | 73.9 | 69.5 | 71.1 | 67.7 |
伊 | 62.2 | 54.7 | 60.1 | 54.6 |
日 | 71.8 | 63.7 | 58.3 | 62.5 |
中 | 15.9 | 32 | 52.3 | 15.2 |
エコノミスト誌の予測データは2030年と2050年で、2018年は別の統計資料で調べたものです。これで見て言えることは、2030年の予測に近い(それほど外れていない)国は、独、仏、英、伊、日と言えるでしょう。韓中露は、予測よりは下降気味だと言えます。しかし日本を見れば予測よりも速い速度で下降しています。2030年にアメリカとの一人当たりGDPが、2010年の約72%から64%に下がる予想が、2018年に既に62.5%と更に下がっているのです。日本のプロ野球選手がアメリカに行くのを当分止められそうにありません。尚上記の表はいわば大国のみを上げたのであって、一人当たりGDPが日本は2018年に英国についで5位なのではありません。世界では、1位はルクセンブルグの115,500ドル、アメリカは9位の62,800ドル、日本は26位の39,300ドルです。27位がイタリア34,300ドル、28位が韓国33,300ドルとなっています。従い一人当たりGDPで韓国に抜かれるのは、時間の問題というところですが、韓国が足踏みをしているという状況です。
何故日本のGDPはつまり国力ですが、こんなに下がって行ったのでしょう。日本の低迷の原因は、①高齢化率の高さ、だと言われています。更に②IT化の遅れ③英語力の低迷④生産性(特に中小やサービス業)の低さなど。何年も給与が上がらず、所得格差は広がるばかり。規制緩和のために大きな投資や研究が阻害されている。雇用環境が悪く、人材は海外に取られ、また海外の人材を呼び込むことも出来ない。そして、大きな問題は、日本人の中に蔓延している大国意識と「油断」です。大国意識と油断は、日本人の多くが日本のニュースしか見ない、世界の変化に気付かないことから起こっているものです。
この2050年に日本はどうなるのだろうと、言う未来を語るにはテーマが大きすぎ、課題が多すぎます。私は、語学の世界にいますので、低迷の原因の一つ③英語力の低迷について、若干述べたいと思います。
実は英語力の低迷が、他の問題にも影響を与えているからです。その一:日本人が世界のニュースに疎いのは、英語が出来ないからです。インターネットで世界のニュースが瞬時に見えるのに、英語が苦手な人はこれを見ません。世界では、特に経済に携わる人なら、世界情勢を知るために世界のニュースに目を通すのは当たり前。その二:日本が技術力、特に先進技術でずっと後れを取っている原因の一つは、研究論文の発表をしないから、または海外の論文を読まないから。そして英語が出来る日本の優秀な研究者は、日本では芽が出ないとして、アメリカへ行ってしまうから。その三:外国企業、または国連や多国籍企業で働くには勿論英語が必要です。英語が出来なければ、海外では働けません。新しい技術やサービスは最早日本のものではなく、海外でものすごい速さで進んでいます。これらに完全に乗り遅れています。その四:どういう訳か、日本はまだ世界では強いんだと勘違いしている企業は、外国人に門戸を開いていますが、日本語の習得を義務付けています。バイリンガルでも、日本語をうまく話せなければ、日本で就職するのが難しいのが実情です。これって、遅れていると思いませんか?日本は総GDPではまだ世界3位ですが、一人当たりではどんどん下降しており、世界で26位です。香港、シンガポール、マカオなどのアジア諸国、ルクセンブルグ、スイス、北欧諸国、カタールなどにも大きく離されているというのに。
この様に、語学の低迷は日本の30年先を見るに、とても重要なそして力をいれるべき喫緊の課題だと思います。政府は語学力の強化にはあまり力を入れていません。危機意識は持っていても、対策は省庁任せですから、先日あからさまになった(10万円の配布問題)省庁のIT化の遅れ(これは簡単に片づけられる問題ではない、恥ずかしい問題だと思いますが)のようなことが起こります。勿論政府に期待はしますが、30年先を見つめて、日本人個人個人が、この言語問題については、真剣に考え取り組み必要があるのではないかと、思っております。30年先に我々の子や孫が、世界の片隅に追いやられないためにも。
コロナウイルスに関する、休業要請の延長に従い、休校を5月31日まで延長致します。尚、5月31日以前に緊急事態宣言が解けるような場合は追ってご連絡します。また、休校が解除されても、当面オンラインレッスン等を希望される方は、そちらを選択することも出来ます。5月9日 事務局
コロナウイルス拡散防止のための、東京都の休業要請、並びに緊急事態宣言に伴い、4月11日から5月6日まで通学レッスンは休校とします。
事務局も在宅勤務が中心となりますので、ご連絡はEメールにてお願い致します。
5月6日以降については、状況に応じて判断し、発表致します。
尚、SKYPEレッスンやEメールによる添削レッスンは継続です。ご利用下さい。
九段アカデミー 事務局
当校は3月30日の週から、当面通学レッスンを次の3日に限定することとします。
火曜日
木曜日
土曜日
レッスン日をフレキシブルにしておられる受講生の方は、次のレッスンを上記の曜日で合わせて頂きます様お願いいたします。また、上記の曜日であっても、外出をしたくない、または会社等の要請により外出が難しいという方には、スカイプレッスンをお勧めしております。既に数人の方がスカイプレッスンに変更し、その安全安心さと使い安さから、楽しんで頂いておりますので、当面の対応としてご検討下さい。曜日も自由です。また時間は今の時間でなくても変更可能です。
では、来週は3月31日、4月2日、4月4日が通学レッスン日となります。(既に来週の予定を決定していた方は、月水であっても変更なしで結構です。来週は例外とします)
通信学習(作文添削他)については、今のところ何も変更はありません。
尚、事務局も上記曜日以外は極力在宅勤務となりますので、お問い合わせ等で電話は通じないことがあるかも知れませんので、メールでご連絡頂ければ幸いです。
九段アカデミー
当校では語学学習を通じて、色々な活動に参加することと受講生同士および講師との親睦を目的として、年に数回のイヴェントを行っております。
主なものは、12月クリスマスパーティ、4月お花見会、7月納涼会、10月運動会(マラソン大会参加)です。ご興味ある方は是非ご参加ください。ご自分の担当講師以外との交流も出来ます。
さて、今回初めて、ハイキングを下記の予定で行います。ふるってご参加ください。
ケーブルカー、ロープウエイもありますので、不安な方は利用できます。また先日の台風で被害を受けた場所もあるようなので、コースは行き当たりばったりです。
12日13日は台風接近の為公共交通の運休などが予定されておりますが、14日は今のところ台風も去る見込みで問題はなさそうです。従い、予定通りマラソン大会は開催されると思われますので、11時に駒沢競技場入り口に集合下さい。選手の方で、都合で遅れる場合は到着予定時刻を予めご連絡ください。では、マラソン頑張りましょう!
10月12日土曜日は大型台風接近による交通網の混乱が予想される為、休校とします。振り替え等については、個別にお問い合わせください。なお、12月21日土曜日は開校しますので、振り替えの予定をここに持ってくることも可能です。強い風が予想されていますので、外出は控えた方がよさそうです。
英語の学習は、聞くだけでも話すだけでもない。聞いて話すことを同時に学ばねばならない。これに最も適した学習方法は、「会話学習」である。
しかし、海外に住んでいてただで会話が出来るなら良い。日本にいてはネイティブスピーカーの友人がいても、いつも勉強のために貴方との会話に付き合ってくれるわけではない。
リスニングだけなら、映画やインターネットを利用して学習出来ないことはない。しかし、スピーキングは相手が必要。英会話スクールはあるが、高い。英会話スクールが高いのは、ほとんど人件費だから。グループレッスンなら少しは安いが、リスニングの勉強にはなっても、話す機会は少なくなる。
語学の学習には、INPUTとOUTPUTが必要である。言い換えれば「受動的学習」と「能動的学習」である。リスニングから音を取れば「読解」であり、スピーキングから音を取れば「作文」である。これらは、会話の前段階の学習としてとても効果が高いものである。
「作文学習」はいわば、「明日の商談・会議の事前準備」「インタビューの原稿作り」など将に会話の事前準備に使われるものである。一方、「読解学習」は、明日の為に備えるのではなく将来のために備える学習になる。単語や表現は相手任せだから、何が出てくるか分からない。従い広範囲に、単語や表現力を鍛える為には、読解学習がお勧めである。
作文学習や読解学習は、会話学習に比べて「安い」。さらに、「時間や場所を選ばない」。つまりいつでもどこでも学習出来る手軽さにもある。会話学習にスクールに週一回通う料金以下で、毎日学習が出来る。当校の場合作文と読解と両方とっても、会話学習よりもはるかに安い。しかも、講師は個別指導である。
英語に限らず、フランス語、イタリア語、中国語、スペイン語で、作文も読解学習も出来る。セットで取れば、更に安くなる。通学学習の1/4くらいの料金から(文章の長さによって異なる)。作文だけなら、更にドイツ語、ポルトガル語、インドネシア語も可能。
学習は、目的をはっきりさせておけば効果が高い。この読解学習の目的は、将来を見て「単語力」「表現力」そして「構文把握力」をつけること。「受動的学習」だと思うこと。一方、作文学習は、明日の為に「単語」や「表現方法」を覚えること。「能動的学習」と位置付けること。
語学の学習が遅々として進まず、何か良い方法はないだろうかとお悩みの方には、是非この「受動的学習」と「能動的学習」をお勧めする。
http://www.kudanacademy.com
Eメールによる作文添削は、15年ほど前に英語、イタリア語、フランス語の3言語で開始以来順調に評価を得て来ています。課題をEメールで毎日配信する、というスタイルが独特なのも一つの理由かと思っています。10年ほど前に中国語とスペイン語を追加して5言語となりましたが、このたび新しく3言語を追加することになりました。ドイツ語、ポルトガル語そしてインドネシア語です。それぞれ使用頻度も高く、特に日本とも関係が深い言語ですので、これらの語学学習者の方にご利用頂ければ有難く思います。
恒例のリレーマラソン大会が今年は10月14日(月:祭日)に開催されることになりました。
いつものように九段アカデミーチームの参加を募りますので、こぞって参加下さい。なお、すでに参加意思を伝えている人は連絡不要です。参加料3500円です。講師は招待しますので無料です。なお、ランニングに参加せずとも応援歓迎です。リレーマラソンは11時40分頃のスタートなので、11時現地(駒沢競技場)集合です。17周か18周走りますので、参加人数で分担しますが、1周でも構いません。終了後に軽く打ち上げを予定しております。では、奮ってご参加を。
Il Settimanale 200号を記念して、製本にしました。2010年10月からのニュースとイタリア語の学習素材が揃っています。第一号に登場した有名なイタリア人は、Gabriele D’Annuzio、第二号はZaccheroni監督、15~17号は複数回登場は彼のみというSilvio Berlusconi、200号までに198人登場しましたが、政治家、スポーツ選手、作家、映画監督、俳優などいろいろな分野から登場していますので、繰り返して読むとイタリア事情が良く分かりますよ。他に、イタリア語の学習も盛りだくさん。HPにIl Settimanaleのarchivioも載せてますので、ご覧ください。