近年、AIによる外国語の作文添削は急速に進歩し、文法ミスやスペルミスの指摘、より自然な表現への言い換えなどを短時間で行えるようになりました。その利便性や低コストは大きな魅力であり、外国語学習において有力な学習ツールとなっています。しかし、作文力や実践的なコミュニケーション能力を身につけるという観点から見ると、ネイティブ講師による添削にはAIには代えがたい大きな価値があります。
第一に、ネイティブ講師は「その場面で本当に使われる表現」を判断できます。AIは膨大なデータを基に自然な表現を提示しますが、地域差や世代による言葉の違い、フォーマルさの度合い、相手との関係性まで踏まえて最適な表現を選ぶことは必ずしも得意ではありません。一方、ネイティブ講師は実際の言語生活を通じて培った感覚をもとに、「この言い方なら好印象を与える」「この表現は文法的には正しいが実際にはあまり使わない」といった細かなニュアンスまで指導できます。
第二に、学習者一人ひとりの弱点を把握し、それに応じた指導ができる点も大きな強みです。ネイティブ講師は、添削を重ねる中で学習者の誤りの傾向や苦手分野を理解し、同じ間違いを繰り返さないための学習方法や考え方まで助言できます。単に正解を示すだけでなく、「なぜこの表現が適切なのか」「母語との違いはどこにあるのか」を説明することで、応用力を育てることができます。
さらに、作文は単なる文法練習ではなく、自分の考えや気持ちを相手に伝えるためのコミュニケーションです。ネイティブ講師は文章の内容そのものにも目を向け、論理の流れや説得力、文化的な配慮まで含めて助言を行います。その結果、学習者は「正しい外国語」を学ぶだけでなく、「伝わる外国語」を身につけることができます。
AIは学習を支える優れた補助ツールですが、人間同士の対話から生まれる気づきや励まし、個々の学習者に寄り添った指導は、現在でもネイティブ講師ならではの強みです。外国語を実際に使って相手と心を通わせる力を養うためには、AIの利便性を活用しつつも、経験豊かなネイティブ講師による添削を組み合わせることが、最も効果的な学習方法であると言えるでしょう。
以上のような理由から九段アカデミーは、AIの利点を利用しながら、ネイティブ講師が添削を行う点を重視してそのサービスを続けていきます。これまでの20年以上にわたるネイティブ講師による添削の事例で、ネイティブ講師も日本人ではないことから、文章を読み間違えることが確かにたまにあります。ただ、日本語自体が誤解されやすい日本語だったようなことも多くありました。AIは現時点では、この10年で驚くほど進歩しており、以前と同じように見ることは出来ません。しかし、よくある事ですが、AIは漢字を読み間違えます。このことからも、日本語においてはまだまだネイティブが勝ることは確かです。
囲碁は、10年ほど前に人間がAIに敗れました。現在は、プロの棋士もAIで勉強しているほどです。しかし、今プロ棋士には、AIに負けないように研究を重ねている人たちがおり、離される一方だった距離が、少しづつ縮まって来ているそうです。多分AIは今後益々発展するでしょうから、計算能力は人間の脳ではもうどうしようもなく離されていくと思いますが、囲碁と言うルールの中で、人間の力を最大限に発揮するような努力をされている方がいる、と言う事の様です。私たちも、AIにはお手上げではなく、どこかで、何かのルールの範囲でとか、勝つ方法はあるかも知れません。そういうことを、言葉と言う人間が編み出した中で、出来れば良いと思っております。 九段アカデミー
