作文学習と通学学習、AIと人

英語を含め外国語学習の形が最近大きく変わってきています。

ここでは、学校での学習ではなく、学校以外の学習のことを述べます。しかし受験目的の塾も省きます。学生や一般社会人であって、(大学)受験が目的でなく外国語力を伸ばすことが目的で通う(または利用する)語学スクールやインターネットによる学習のことです。言い換えれば、通学・インターネット・SNSそしてAI(翻訳機能含む)などのことです。

1.通学学習

語学スクールが一般に普及したのは、戦後だと言われます。塾は受験用であり、語学スクールは当時は来日する外国人との通訳養成が目的でした。それから一般に普及していきますが、30年ほど前までは、語学学校に通学して学ぶのが一般的でした。ただ、30年ほど前から、大手語学スクールによるネットの学習(とはいっても独自の機器とソフトを利用)が開始されました。この頃から、塾においても専用の回線を使った一斉講義などが広まって来ています。

2.オンライン学習

語学スクールがオンライン学習を始めた頃は、専用の機器やディスプレイを買う(または借り出す)必要がありました。その後、ネットが会議などに使われ始め、それを補佐するソフトが色々出回り始めました。当校もその頃に既に、開発途上のソフトを使って、オンライン学習を開始したパイオニアの一校です。それらの、ソフトは有料だったのですが、25年ほど前から世界的に流行をし始めたSKYPEが日本にも入って来ました。SKYPEは無料だったので、日本で開発していたソフトはほとんど使われなくなり、SKYPEによるオンライン学習がこの頃から広がり始めました。

3.フィリピンの英語講師を利用したオンライン学習と留学

15年ほど前から、英語が公用語であるフィリピンの比較的廉価な労働力に目を付けた、フィリピン人講師による英語教育が開始され、瞬く間に多くの受講生を得て来ました。同時に、留学制度も設け、フィリピンに立派な宿泊や娯楽施設も備えた学校が数多く出来、そこには日本人始め韓国、台湾、中国などから大量の英語学習生徒が行くようになっています。

4.ネットを利用した無料学習

YOUTUBEを始めとして、多くのSNSに語学学習講座が出来始めました。その多くは無料で、英語を始めフランス語、イタリア語、スペイン語などの学習動画を閲覧できます。但し、無料なのであまり体系的な動画は少なく、ちょっとした表現方法や文法の基礎などを学ぶ程度のものが大半を占めています。

5.AIによる翻訳や修正

翻訳ソフトは、その精度を年ごとに高めています。15年ほど前まではまだ何とか意味は分かるが、使用は出来ない。間違いも多い。といった状況でしたが、ここ数年はほぼ正確に訳をするようになっています。日本語と外国語の間は、まだ多少の問題はあるものの、英語とイタリア語と言うような相互翻訳は、ほぼ完璧と言っていいのではないでしょうか。難があるとすれば、スラングや流行語でしょうが、それは永遠の課題かも知れませんので、少なくとも翻訳の精度と言う意味では、ほぼ100%に近いものが出来るようになっています。翻訳だけでなく、間違いの訂正や、音声による発音の伝達などもAIがこなすようになってきました。

6.コーチングという英語教育

最近はコーチングと言う形の通学スクールが増えている。これまでの通学と違うのは、週一時間のような学習方法ではなく、もっと多くの時間を学習に書けるようになっている。以前は集中学習と言っていたものが、このコーチングに近い。また、英会話スクールと言うイメージよりは、TOEICや英検での高得点をあげるような、読み・書き・話す・聞くの学習が中心で、英語力を高め、結果を残すことが目的となっている。

まあ、大体以上のような過去30年の変化が起こっています。それに対して私ども語学スクールはどのように対処してきたのか、今後はどうするのかを、お話したいと思います。

当校は2002年に語学スクールを開校しました。丁度それまでの通学主体から通わないで家でも学べる、と言う方法が開始されたころでもあり、同時にIT技術の進展が急激に進み外国語学習の形が大きく変わるだろうという予測が出て来たころでもあります。というのは、当時ベルギーなどで人工知能による翻訳が実用化されてきていた時代でもあったから、今後の変遷の形は分からなくとも、劇的に変化するだろうことは予見できました。

当校も当初は「通学スクール」として受講生を集めました。1年後に、オンラインの学習を開始しました。当時はまだSKYPEはなく、同じようなソフトを開発している会社と組んだものです。その後SKYPEが現れました。当校は、語学スクールが「スクール」として名前だけでなく実体としてどうあるべきかを模索しました。一つは、教育者の充実、もう一つはスクールとしてのコンテンツの充実でした。言い方を変えれば、単に、講師を雇って教えさせている学校や、ネットで講師と受講生をマッチングさせコミッションを取るような業者(学校ではない)とははっきり違うものを目指しました。

独自のカリキュラムや、テキストを持っていれば良いというものではありません。講師がベテランであれば良いというものでもない。何故なら、語学スクールを運営していく中で、中にはベテランであるが故に、頑固として教え方を変えない講師もいました。試行錯誤していく中で、やはり、重要なのは、まずは「読み」「書き」で、その次に「聞く」「話す」と言う事が重要だと言う事を再認識しました。

これは、あくまでも日本人が、日本で学ぶ最適な方法と言う意味です。環境が変われば、もっと他の方法もあると思います。しかし、周りが日本語で、一日中ほぼ日本語を使っている環境の中で、外国語を学ぶには、やはり基礎としては文法を学び、その基礎の上で、読み書きを充実していくことが最も重要だと思います。

7.作文メール添削学習

そこで始めたのが2005年の「メール作文添削」です。九段アカデミーは、これを「課題配信」方式でやることにしました。つまり、自由作文のように、自由に作文を書いてそれを添削するのではなく、こちらから問題を出してそれを添削するのです。この利点は、「続けられる」と言う事です。しかも、毎日課題を出しますから、毎日ひとつずつ覚えることが出来ます。同時に自由作文をやりたい人にも、続けられる方法を考えました。「課題付自由作文」がこれです。これだと、課題を出しますので、続けられます。

当初は、英語、フランス語、イタリア語の3ケ国語で始めましたが、今では、中国語、スペイン語、韓国語、ドイツ語、ポルトガル語、インドネシア語などに広がっております。ウクライナ語も希望があり実施しました。また、コンテンツとして問題の数をどんどん増やしました。入門ー初級ー中級などのレベル別を始め、トラベル、会話、時事、ビジネスなどの分野別、そして、短文、中文、長文などの長さ別です。自由作文には、前述のように課題付、と言うコースを設けておりますが、現在では、英文のトピックを読んで自分の意見を書く、と言うRWコースや、講師と友人の様に近況などを交わし合うメル友コースなども新しく始めております。

もし仕事で外国語を使う立場にあったら、その外国語は仕事だけではありません。食事の時やフリータイムの時、お互いの個人の事、お互いの国の事、お互いの政治の事、スポーツの事など色々な話題に会話が発展することでしょう。その際には、何にでも意見を持っていて、それをその言語に出来ねばなり前ん。それを鍛えるために上記RWコースはあります。実際に、このコースを取ってとても役に立ったという評価もいただいております。それにこのコースは、「書く」だけでなく「読む」学習も兼ねます。

また、「音声付き添削」もやっております。添削は当校独自の方式で、(1)文法の間違い(2)単語や表現の間違い(3)スペル間違い(4)正解または他の言い方(5)得点 に分けて、受講生が一覧で欠点が分かるようにしています。この(4)に正解の表現を音声付き(MP3)で返答するようにしました。こうすることによって、単に「書く」学習だけではなく、「聞く」「話す」学習も出来るようになりました。

現在、上述のようにAIによって、翻訳の訂正くらいは出来るようになりました。しかし、問題を毎日配信するようなシステム、あるテーマに対する自分自身の意見を纏める(自分で考えるしかない)こと、人間の生の音声で受講生の作文を聞くこと、などまだまだAIには出来ない、いやAIには出来るかも知れませんが、それをシステムとして提供することが出来るまでには、多分私の考えですが、コスト的な面からもまだまだ時間が掛かるような気がいたします。

読み、書き、だけでは、確かに「会話する」と言う最終目的には到達できませんので、この後に「聞く」「話す」という学習が必要です。しかし、あくまでも「読み」「書き」が基礎になることは間違いなく、また、「読み」「書き」なら、スクールに通わずとも、決まった時間にやらずとも、どこでも好きなだけ学習出来るというメリットがあります。当然コスト的にもメリットがあります。ぜひ一度、二度三度でもお試しください。必ず効果を感じることが出来ると思います。

 

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